骨粗鬆症の予防にはイソフラボン

骨密度が減り骨の中がスカスカになり、すぐに骨折しやすくなる骨粗鬆症は50歳代から年齢が高くなる程、患者数が増えます。
特に閉経後の女性に多く発症することから、女性ホルモンの減少が骨粗鬆症の発症と密接に関連していると考えられています。
イソフラボンは骨粗鬆症の予防に有効性があるといわれています。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は骨の密度が減少し、すぐに骨折してしまう病気です。
閉経後の女性に多く、患者数は年々増え続けています。
骨折部位によっては寝たきりになる危険性も大きく、身体機能に影響を及ぼす深刻な問題が発生します。

骨粗鬆症の原因

丈夫な骨が形成され維持されるためには骨吸収(骨の破壊)と骨形成のバランスがうまく取れていることが条件です。
このバランスをうまく取るためには女性ホルモンのエストロゲンが必要です。
しかし更年期頃からエストロゲンが急激に減少しはじめると、骨吸収の働きが強くなり骨の破壊が進み、骨形成が追いつかず、骨粗鬆症になる危険性が増えます。
喫煙や運動不足も骨密度の低下に影響を与えます。

イソフラボンは植物エストロゲン

イソフラボンはマメ科の植物に含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモンに化学構造が似通っていることから、エストロゲンに似た働きがあります。
イソフラボンを含む食品を摂取すると、イソフラボンがエストロゲン受容体と結びつき、穏やかなエストロゲン様の作用を発揮することが数々の実験により認められています。

イソフラボンと骨粗鬆症

イソフラボンのエストロゲン様の働きは骨密度の減少を食い止めるかどうか、国内外で多くの実験が行われています。

閉経前の女性を対象に、大豆の摂取量が増えると骨密度も増加するという香港での研究報告がなされているほか、欧米の研究でも同様の報告があります。

閉経後の女性を対象に行われた国内の実験では、大豆イソフラボンには大腿骨付近の骨量減少をわずかながら抑制する効果と、近部位の骨量の減少が抑制されることが確認されています。

その一方で、閉経後の女性を対象にした国内での別の実験では、イソフラボンの摂取量と骨密度との間に相関関係はないとする研究報告もあり、研究結果は必ずしも一致していないのが現状です。

骨粗鬆症とイソフラボンの関係について現在も研究が進められているため、今後の新たな研究結果が待たれます。

イソフラボンのそのほかの効果

骨粗鬆症予防のほかにもイソフラボンは更年期障害の諸症状の軽減、コレステロール値の低下、乳がんや前立腺がんの予防に効果があるとされています。

イソフラボンは大豆食品から摂取

イソフラボンは大豆食品に含まれています。
味噌、しょう油、豆腐、納豆、油揚げ、おから、豆乳、がんもどき、湯葉などの食材を使った和食を毎日最低一回は食べるように心がけると、目安の摂取量上限値75mg/日を摂ることが可能です。
食品からのイソフラボンの過剰摂取による健康被害の可能性はまずありません。

イソフラボンは大豆食品や葛に多く含まれ、それ以外の食品にはほとんど含まれていません。
大豆食品を食べない人は、サプリメントからの摂取が選択肢としてありますが、過剰摂取しないように注意する必要があります。

サプリメントの摂取は食品からの摂取に上乗せし、一日に30mg以内とするように食品安全委員会で奨励しています。
ただし30mgを大幅にオーバーした量を、長期に渡って摂取しない限り、直ちに深刻な健康被害が起きる訳ではないとしています。

骨粗鬆症を予防するために

骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムとビタミンDを含む食品を積極的に食事に取り入れるようにします。
大豆食品はイソフラボンだけでなく、カルシウムも含まれているので、その点でも骨粗鬆症防止に有効な食品です。

食事に気をつけるだけでなく、生活に運動を取り入れることはとても大切です。
どんなに食事に気をつけていても、運動不足では骨粗鬆症を防げません。
骨粗鬆症は予防が何よりも大切です。
生活習慣を見直し、栄養バランスの取れた食事とイソフラボンを含む大豆食品を上手に取り入れましょう。
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