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イソフラボンは前立腺がんの予防に役立つ?
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、女性の健康に効果的なことで知られています。その一方で、イソフラボンは女性だけでなく、男性に対しても効果があるのではといわれています。
特にイソフラボンと前立腺がんの関係についての実験では有益な結果がでているようです。
前立腺がんと食事
前立腺がんはホルモンが影響するがんで、年齢、食事、遺伝、そして人種により発症する率が違います。米国のがん研究の発表によると、日本在住の日本人の罹患率は世界的に最も低い部類に属しています。
北米移民の日本人の前立腺がん罹患率は日本在住者より高いため、発症には食事が深く関わっていると考えられています。
大豆は前立腺がん予防によい理由
イソフラボンは植物エストロゲン
さまざまな調査や研究によると、外国人に比べ、日本人に前立腺がんが少ない主な原因は、大豆製品を多く含む食事内容によるところであると報告されています。大豆製品に含まれるイソフラボンはフラボノイドの一種で、植物エストロゲンとも呼ばれます。
女性ホルモンのエストロゲンとイソフラボンは化学構造が同じで、エストロゲンに似た働きがあります。
イソフラボンのがん抑制の働き
前立腺がんは男性ホルモンのアンドロゲンにより増殖します。イソフラボンは構造がアンドロゲンとも似ているところから、イソフラボンがアンドロゲンのがん細胞への結合を抑制し、増殖を防ぐ結果、前立腺がんの予防に繋がると考えられています。
実際、アメリカで前立腺がんのリスクの高い50?85歳の男性を対象に行われた実験で、イソフラボンを含む大豆たんぱくを半年間摂取すると、アンドロゲン受容体の発現が抑えられ、前立腺がんの予防に有効であるという結果がでています。
また日本人男性を対象にした研究でも、食事からイソフラボンを多く摂っている人ほど前立腺がんになる率が低かったという結果が報告されています。
このほかにもイソフラボンはエストロゲン様作用により、前立腺がんのリスクを高める血液中の男性ホルモン、テストステロンのレベルを下げることが認められています。
前立腺がんを予防するイソフラボンの適切な量とは?
このように、イソフラボンの摂取は前立腺がんの予防に役立つことが期待されています。この効果は、がんが前立腺のみに存在する初期の段階の、限局性前立腺がんにおいて有効であると考えられています。
進行性の前立腺がんとイソフラボンの関係については、現在のところ明確な見解はでていません。
前立腺がんを予防するために、どの位の量のイソフラボンを摂取すると効果があるかどうかについては、明らかにはなっていません。
通常の大豆食品からの摂取では、過剰摂取になる可能性はまずありません。
味噌、醤油、納豆、煮大豆、豆乳、きな粉、油揚げ、がんもどき、湯葉、豆腐など日本食は、イソフラボンを摂取することができる食材が豊富にあります。
欧米型の食生活を見直し、日にたとえ一食でも、日本食を摂ることをおすすめします。
どうしても食品から摂取できない場合は、サプリメントでの摂取を考えるのも一案です。
サプリメントの場合、一日に30mgまでを目安に摂取しましょう。